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guide · 実制作

パワポがダサいのはなぜ|野暮ったくなる原因

パワポがダサく見える主な原因は、1枚に詰め込みすぎ、色と書体の使いすぎ、そろっていない配置の3つです。野暮ったくなる原因を1つずつ分解し、資料が見違える直し方を具体例つきで解説します。

実制作を学ぶ余白灯舎の場面
マドカこの提案スライド、頑張って作ったのに、なんだか野暮ったいのよね。パワポってダサくなりがち。
ミナ情報を削ると説明不足と言われそうで、全部を同じ強さにしたくなりますよね。

野暮ったく見えるものの正体

パワポが「ダサい」「野暮ったい」と感じるときは、まず「盛りすぎ」を疑います。1枚のスライドへ複数の話、色、書体、装飾を重ねると、どこを見ればよいか判断しにくくなるためです。ただし、内容とのずれやブランド指定など、別の原因もあるので分けて点検します。

情報を省くと不親切な気がして、全部を1枚に載せてしまいがちです。発表用なら詳しい情報を口頭や配布資料へ分け、画面には要点を置きます。単独で読まれる資料なら必要な説明を残し、見出しと段落で読む順番を作ります。

ここには、資料の種類の取りちがえもあります。読ませる資料と、見せる資料は別ものです。手元で読んでもらう報告書なら、文字が多くてもかまいません。でも、スクリーンに映して話すスライドは、聞き手が一瞬で見て取れる量でなければなりません。この2つを同じ感覚で作ると、スライドが文字だらけになり、野暮ったくなります。話しながら見せるものは、思いきって減らす。この切り替えが、洗練の分かれ目です。

たとえるなら、幕の内弁当の詰め込みのようなものです。彩りよく、おかずをぎっしり詰めれば豪華に見えそうですが、実際には何が主役か分からず、ごちゃついて見えます。上等な献立ほど、主役を決めて、余白を残します。スライドも同じで、1枚の主役を1つに絞ることが、洗練の第一歩です。 弁当の例が伝えるのは、要素が多いと主役を見つけにくくなることです。報告資料など一覧性が必要な場面もあるため、情報量は発表目的と閲覧方法に合わせます。

どこで野暮ったくなるかを分ける

ダサさを直すには、3つの原因のどこで起きているかを見ます。自分のスライドを、次の点で点検してください。

原因 起きていること 向かう先
詰め込みすぎ 要点を1文にできず、文字も小さい 話題を分けるか階層を作る
色と書体の使いすぎ 役割を説明できない色と書体がある 1ファミリーと3つの色役割から始める
配置のばらつき 文字や図の端がそろっていない 端を見えない線にそろえる

この3つは、どれも「盛る」方向に傾いた結果です。実際、野暮ったいスライドの多くは、この3つが同時に起きています。逆に言えば、1つずつ引いていくだけで、印象は大きく変わります。まずは、いちばん詰まっている1枚から手をつけるのが近道です。

3つの中で、いちばん効き目が大きいのは詰め込みすぎの解消です。色や書体を整えても、1枚に情報が多すぎれば、根っこの野暮ったさは残ります。逆に、1枚1メッセージまで減らせば、多少色が多くても、ずっとすっきり見えます。だから、直す順番も「まず減らす、それから整える」がおすすめです。減らすことで見えてくる余白が、色や配置を整える土台になります。

パワポを見やすく直す手順

野暮ったさの原因が見つかったら、直しに入ります。効果の大きいものから順に手をつけます。

  1. 1枚の要点を1文にする。 複数の話題が同格なら分け、比較など同時表示が必要なら見出しで関係を示します
  2. 文字を減らして、大きくする。 文章を箇条書きの要点にし、残った文字を大きくします。見出しと本文の差、ジャンプ率をつけると締まります
  3. 色と書体の役割を絞る。 色は土台・主役・強調、書体は1ファミリーの太さ違いから始めます。この統一の考え方がトンマナです
  4. 端をそろえる。 文字や図の左端を、そろえます。ばらついた端をそろえるだけで、ぐっときちんとして見えます

この手順の心臓は、1の「1枚1メッセージ」です。ここが決まると、あとの直しが楽になります。何を主役にするか、どう1つに絞るかは、情報の優先順位の決め方の考え方がそのまま使えます。

図やグラフを載せるときも、同じ考え方が効きます。1つのグラフに何本もの線を詰め込むと、何を見せたいのか伝わりません。そのスライドで言いたいことが「売上が伸びた」なら、その線を目立たせ、他は薄くします。データを全部見せるのではなく、伝えたい1点が浮かび上がるように削る。表やグラフも、1枚1メッセージの原則で整えると、ぐっと分かりやすくなります。細かい数字は、配布資料にまわせば十分です。

やりがちな、テンプレートで飾る直し

野暮ったさに気づいたとき、凝ったテンプレートや、アニメーション、装飾を足して直そうとする案が浮かびます。ただし、原因が「盛りすぎ」なら、追加する前に要点だけの版を作ります。

ダサさの原因が「盛りすぎ」なのに、テンプレートの飾りやアニメーションを足せば、盛りをさらに増やすことになります。派手な切り替え効果や、画面を横切るアニメーションは、内容を伝えるどころか、見る人の集中を奪います。同じ理由で、影や光沢の強い装飾、たくさんの色を使ったグラフも、野暮ったさを増やします。色の使いすぎが安っぽさを生む仕組みは、デザインの色は何色までと共通しています。

標準ルートは、まず1枚の要点を1文にし、役割を説明できない色や装飾を外し、端をそろえることです。装飾がブランドや意味を支える場合は残します。白い簡素な版と装飾版を同じ投影条件で比べ、要点を言い当てられるか、文字を読めるかで選びます。

スライドの要素を、数えて減らす

今日のワーク:要点を1文にする

気になるスライドを1枚選び、その1枚で持ち帰ってほしいことを1文にします。要素ごとに、その1文を支えるかを確認します。

  • 複数の話が載っていたら、スライドを分けます
  • 細かい情報は、口頭や配布資料にまわせないかを考えます

固定の要素数へ合わせず、比較や根拠として必要なものは残します。支えない要素だけを移し、変更前後で要点が伝わるか比べます。

画面から情報を移しても、口頭説明や配布資料に残せます。文字を絞った版と元の版を同じ投影条件で見せ、要点の位置を追いやすいのはどちらか、画面を読む時間と話を聞く時間が競合していないかを確かめます。画面・口頭・配布資料の役割分担は、情報を消すためではなく、置き場所を比較するためのものです。

資料のダサさは、盛りすぎのサイン

パワポがダサい、野暮ったいと感じたら、詰め込み、色と書体の役割、端のばらつきの3点へ分けて点検します。1枚の要点を1文にし、役割を説明できない要素を外し、端をそろえた版を作ります。元の版と同じ投影条件で比べれば、要点と情報の位置を追いやすいのはどちらかを確認できます。

スライドを整える中心は、何を1つの主役にするかを決めることでした。次に進むなら、情報の優先順位の決め方で、1番を選ぶ考え方を続けて確かめてみてください。