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guide · 実制作

チラシの自作の作り方|手が止まらない5つの段取り

チラシの自作は、いきなり作り始めず、段取りから入ると手が止まりません。誰に何を伝えるか決め、骨組みを作り、清書し、見直し、印刷する。この5つの段取りを順番に、つまずきどころつきで解説します。

実制作を学ぶ余白灯舎の場面
サヤカお店のチラシを自作したいんです。でも、いざ作ろうとすると、何から手をつければいいのか。
ミナツールを開けば進めると思ったのに、選ぶことが増えて止まるんですよね。

作る前に、先に決めること

多くの人が、いきなりツールを開いて素材を並べ始めます。すると、途中で「何を伝えたいんだっけ」と手が止まります。これは、作りながら考えているからです。考えることと作ることを同時にやると、どちらも中途半端になります。

先に決めておくべきは、次の3つです。この3つが決まっていないうちは、ツールを開かないくらいでちょうどよいです。

たとえるなら、料理の段取りのようなものです。作り始める前に材料を切り、調味料を並べておくと、火にかけてから慌てません。下ごしらえの順番が、味を決めます。チラシも、作る前の3つの決めごとが、仕上がりを決めます。 料理の例が伝えるのは、制作前の準備が途中の迷いを減らすことです。チラシでは、内容の正確さ、印刷条件、配布場所も別途確認が必要です。

なぜ段取りが効くかというと、作る作業と考える作業を、分けられるからです。この3つを先に決めておけば、ツールを開いたあとは「決めたことを形にする」ことだけに集中できます。実際、途中で手が止まる人の多くは、作りながら「何を伝えたいか」を考え直しています。考える時間と作る時間が混ざると、どちらも進みません。先に考えを済ませておくことが、いちばんの時短になります。

チラシを作る5つの段取り

3つが決まったら、次の順で作ります。各段取りで「やること」と「終えてよい目安」を確かめながら進めてください。

  1. 骨組みを作る。 紙面を大きく分け、いちばん伝えたいこと(何を)を置く場所を決めます。目安: 手描きのラフで、どこに何を置くか決まったら合格
  2. 素材を集める。 写真、文言、地図、連絡先などを用意します。目安: 骨組みの各場所に入れるものがそろったら合格
  3. 清書する。 ツールで、骨組みに沿って素材を置いていきます。文字は削り、色は絞ります。目安: 端がそろい、ひと目で「何を」が伝わったら合格
  4. 見直す。 印刷やデータ化の前に、離れて眺めて全体を確かめます。目安: 誤字がなく、伝えたいことが最初に目に入ったら合格
  5. 印刷・共有する。 家庭用プリンター、コンビニ、ネット印刷などで形にします

この5段取りの心臓は、1の骨組みです。骨組みが決まっていれば、清書はそれに沿って置くだけの作業になり、迷いません。色や文字の統一感を保つ考え方はトンマナ、要素のあいだの余白の作り方は余白が土台になります。

つまずきやすい、清書での迷い

5段取りの中で、いちばん手が止まりやすいのが3の清書です。素材を置き始めると、「もっと情報を入れたい」「この色も使いたい」と、あれこれ足したくなります。

ここでの鉄則は、足すより削ることです。清書は「盛りつけ」ではなく「引き算」の工程だと考えてください。骨組みで決めた「何を」を主役にして、それを邪魔するものは、たとえ良い素材でも外します。実際、詰め込みすぎたチラシは、読む前に敬遠されます。窮屈になってきたら、詰まったチラシを直す考え方に立ち返ると、清書がぐっと楽になります。

もうひとつのつまずきは、清書に凝りすぎて、いつまでも完成しないことです。飾りや配置を延々といじってしまう。ある程度で区切り、次の「見直す」段取りに進むほうが、結果的に良いものになります。

凝りすぎを防ぐには、時間を区切るのが有効です。「今日は清書まで」と決めて、そこで一度手を止める。完璧を目指して一気に仕上げようとすると、細部にはまり込んで全体が見えなくなります。区切って翌日に見直すと、昨日は気にしていた飾りより、もっと大事な直しどころに気づけます。段取りを分けることは、そのまま「一度冷静になる時間」を作ることでもあるのです。

印刷の前に、見直すこと

清書が終わったら、印刷やデータ化の前に、一度きちんと見直します。ここを飛ばすと、刷ってから「しまった」となり、直せません。

見直すときは、作った直後ではなく、少し時間を置くのがコツです。一晩おいてから見ると、作っている最中には気づかなかったミスや、伝わりにくい部分が見えてきます。可能なら、家族や店のスタッフなど、別の人にも見てもらうと、さらに確実です。

他人に見てもらうときは、「どこが分かりにくい?」と具体的に聞くのがコツです。「どう?」と聞くと「いいね」で終わってしまいますが、分かりにくい場所を尋ねると、作り手には見えなかった引っかかりが出てきます。とくに、いちばん伝えたいことが最初に目に入ったか、次にどうすればいいかが分かったか。この2点を聞くと、チラシがきちんと役目を果たせるかが見えてきます。刷ってしまう前の、この確認が最後の砦です。

作る前に、3行書いてみる

今日のワーク:3行の下ごしらえ

これから作るチラシについて、次の3つを、それぞれ1行ずつ紙に書き出してください。ツールを開くのは、そのあとです。

  • 誰に: このチラシを届けたい人は
  • 何を: いちばん伝えたいことは(1つだけ)
  • どうしてほしい: 読んだ人に次にしてほしいことは

3行が書けたら、それがチラシの設計図です。清書で迷ったら、この3行に戻り、いま足そうとしている要素が目的を支えるか確かめてください。

3行は、制作中の判断をそろえるための仮の基準です。情報が増えたら「誰に・何を・どうしてほしい」のどれを支えるかを問い、支えない要素は別面や補足へ移す候補にします。法定表示や安全情報はこの3行だけで削らず、媒体の仕様を優先してください。

印刷前には、仕上がり寸法、塗り足し、安全な文字位置、色設定、画像解像度を利用する印刷所の入稿仕様で確認します。家庭用プリンターなら、実寸で試し刷りして文字とQRコードを読みます。

チラシ作りは、書く前の段取りで決まる

チラシの自作は、誰に・何を・どうしてほしいかを先に決め、骨組み・素材・清書・見直し・印刷と段取りを踏みます。最初の3つを1行ずつ書くと、途中で情報を足すか迷ったときの判断基準になります。

段取りに沿って作れるようになったら、次は仕上がりの点検です。バナーが素人っぽく見えるのはなぜの整列・情報量・色の役割を使い、最も弱い1点から見直してください。