公開 更新

guide · 実制作

A4チラシの構成は3つから選ぶ|4ブロックを3ステップで作る

A4チラシは4等分から始めず、来店・申込・案内のどれを目的にするかを先に決めます。用途別の3構成と、入口・詳細・判断材料・行動の4ブロックへ情報を割り振る3ステップを、印刷前の確認まで順に紹介します。

実制作を学ぶ余白灯舎の場面

四つに区切られた弁当箱を思い浮かべてください。主食、主菜、副菜、果物の居場所が決まると、盛り付けで迷いにくくなります。けれど、四区画を同じ量にする必要はなく、食べる人によって配分も変わります。チラシの4ブロックも同じで、情報の居場所を先に決める道具です。弁当箱のたとえは整理の仕方だけを示し、読む順番や効果を保証するものではありません。

サヤカお店のA4チラシを作りたいんです。でも、白い紙を四つに割ったところで、何を大きくすればいいのか分からなくて。
ミナ四等分が答えじゃないんですね。まず、来てほしいのか、申し込んでほしいのか、知ってほしいのかを決めます。

先に選ぶ:A4チラシは3つの型

白い紙へ線を引く前に、読んだ人へしてほしいことを一つ選びます。「新商品を全部知ってほしい」のような広い目的ではなく、「週末の店頭へ来てもらう」のように、紙を見たあとの行動まで書きます。

目的 入口で伝えること 中盤で渡すこと 最後に置くこと
来てもらう 誰向けの何があるか 日時・場所・魅力 地図・営業時間・来店方法
申し込んでもらう 得られるものと対象 内容・条件・判断材料 申込方法・期限・問い合わせ
内容を理解してもらう 先に知るべき結論 理由・手順・対象外 保存事項・確認先・次の手続き

三つとも必要に見える場合は、配る場所と相手を見直します。店頭で常連客へ渡す紙と、初めての人へ郵送する紙では、すでに知っていることが違います。一枚で二人へ別の行動を求めるより、表裏や別紙へ分けたほうが説明しやすいこともあります。

4ブロックが迷いを減らす理由

4ブロックの役割は、目を自動で上から下へ動かすことではありません。情報を置く前に、読む人が途中で抱く四つの疑問へ答えることです。

  1. これは自分に関係があるか。 入口で対象と中心内容を示す
  2. 何が分かる、または得られるか。 詳細で内容を具体化する
  3. 決める前に何を確認すべきか。 条件、根拠、費用、注意を示す
  4. 次に何をすればよいか。 来店、申込、保存、問い合わせへつなぐ

先に箱を用意すると、同じ情報を二か所へ置いたり、行動方法だけを忘れたりする事故に気づけます。情報の優先順位の決め方と組み合わせると、「全部大事」を、入口・詳細・判断・行動の役割へ分けられます。

ここでいうブロックは、太い線で囲んだ四つの長方形ではありません。見出し、写真、文章、余白のまとまりを指します。写真を大きく使う案でも、四つの役割が読み取れれば構成は成立します。

3ステップで下書きを作る

1. 読後の行動を一文にする

紙の中央へ「このチラシを見た人に、__してほしい」と書きます。「知ってほしい」で止めず、「6月8日の販売会へ来てほしい」「申込期限を確認してほしい」のように、確認できる動作へします。

2. 四枚の付箋に一文ずつ書く

入口、詳細、判断材料、行動の四枚を作ります。一枚の付箋に文章を詰め込まず、まずは見出しになる一文だけを書きます。

実在の店や商品で使うときは、日時、販売条件、原材料、実績、口コミなどを想像で補いません。チラシに載せる事実は、担当者と現行資料で確認します。

3. 順番と大きさを決める

付箋を縦一列に並べ、最初に読んでほしいものを大きくします。そのあと、写真や二列組みを試します。最初から複雑な配置にすると順番の問題と装飾の問題が混ざるため、まず一列で意味が通るかを確かめます。

実際のA4用紙へ置くときは、付箋の大きさを仮の面積として使えます。横書きを一律に左上から右下へ読む、という一つの型には固定できません。写真の向き、文字量、配布場所、読む距離で視線は変わります。視線誘導は、最初・次・最後の三地点を実物で確認して整えます。

四つの役割を目的に合わせる

同じ4ブロックでも、面積と中身は目的によって変わります。来店型なら店名より開催内容を大きくする場合があり、案内型なら結論と対象条件を最初に置く場合があります。

ブロック 入れる候補 入れすぎの合図
入口 対象、中心内容、短い見出し、主役画像 見出しが二つ以上競っている
詳細 日時、場所、内容、手順、特徴 本文を縮めないと入らない
判断材料 条件、費用、根拠、注意、対象外 未確認の実績や感想で埋めている
行動 地図、連絡先、QRコード、期限 行動先が二つ以上同じ強さで並ぶ

「信頼ブロックだから口コミを入れる」と決め打ちしません。口コミがなければ、事実として確認できる営業年数、製造場所、主催者、料金条件など、判断に必要な材料を置きます。根拠のない受賞歴や感想を作るくらいなら、条件を正直に示すほうが読者は判断できます。

各ブロックへ一つの主役を決めたら、関連するものは近づけ、次のまとまりとの間を広げます。余白は空いた場所ではなく、四つの役割を分ける境界です。

4ブロックを使わないほうがよい場合

4ブロックは、A4片面で一つの目的を伝えるための下書きです。次のような紙面では、四つへ押し込まないほうが安全です。

情報を削れない場合は、要約と詳細を表裏へ分ける、一覧表を使う、詳細ページへつなぐなど、内容に合う形を選びます。ただし、QRコードの先に重要条件を隠してよいという意味ではありません。紙面だけで判断に必要な条件は、紙面にも残します。

印刷前は3点だけを確認する

レイアウトが整ったら、装飾より先に次の三点を確認します。

  1. 事実。 日付、曜日、住所、電話番号、価格、期限を現行資料と照合する
  2. 読み方。 実寸で印刷し、見出しから詳細、判断材料、行動へ迷わず移れるか確かめる
  3. 行動。 QRコードを実機で読み、電話番号やURLの到達先が正しいか確認する

作った本人は内容を知っているため、足りない一文を頭の中で補ってしまいます。初見の人へ五秒だけ見せ、「何の案内? 次に何をする?」と聞くと、入口と行動の抜けを見つけやすくなります。印刷会社や配布先にデータ条件がある場合は、その案内を優先してください。

今日のワーク:目的を一行、付箋を四枚

A4用紙の中央に「この紙を見た人に、__してほしい」と一行だけ書きます。次に、入口・詳細・判断材料・行動の四枚の付箋を並べてください。

  1. 来店・申込・案内の三つから、目的を一つ選びます
  2. 各付箋には、見出しになる一文だけを書きます
  3. 入口から行動まで声に出し、抜けた条件だけを足します

線を引くのは最後です。まず言葉の順番が通れば、パソコンを開いたときに置き場所で迷いにくくなります。

白い紙には、最初に目的を一行置く

サヤカが白い紙の前で止まった理由は、四等分の線が足りなかったからではありません。来てほしいのか、申し込んでほしいのか、店を知ってほしいのかが、一枚の中でまだ競っていたからです。

A4チラシは、来店・申込・案内のどれかを選び、入口・詳細・判断材料・行動の4ブロックへ割り振ると下書きを始められます。四つは同じ大きさでなくてよく、内容に合わなければ使わない判断も残します。

今日やることは一つです。A4用紙の中央へ「この紙を見た人に、__してほしい」と書いてください。目的の一行が決まったら、素材集めから印刷確認までをチラシを自分で作る手順で続けられます。